オーストラリアは石炭の用途別分類において製鉄原料になる原料炭、発電等に供される一般炭の総輸出額は世界最大です。日本の年間総輸入量(2020年)は原料炭が約6870万トン(内、オーストラリアからは4500万トン)、一般炭は1億490万トン(内、オーストラリアからは7000万トン)になっています。(出展:財務省貿易統計から作成)
製鉄の原料炭価格は2021年後半、旺盛な中国の需要と主要国の経済回復から高止まりを見せました。今後の価格動向予測は2023年に向けても若干弱含むものの堅調を維持するとみられます。豪州からの輸出量は20-21年の1.71億トンから22-23年には1.81億トンに増加予測されています。(出展:Resources and energy Quarterly December 2021 – DISER)
発電に使用される一般炭価格は2021年10月に急騰を見せました。2023年に向けてはニューキャッスル・ベンチマーク価格も若干の軌道修正が予測されます。一方豪州からの輸出量は20-21年には前年比10%減の1.92億トンでしたが22-23年には微増が見込まれています。(出展:Resources and energy Quarterly December 2021 – DISER)
天然ガスは堆積した有機物が地質学的な時の流れを経て熱と圧力を受けて出来上がったものです。その組成はメタンや他の炭化水素物、二酸化炭素、窒素、硫化水素、ヘリウムなどの混合物です。オーストラリアは世界第7位のガス生産国で、特に大陸外の近海には在来型ガス田が、大陸内には非在来型ガス田(主にCSG)が広がっています。
LNGはその天然ガスをマイナス162度にまで冷却することで体積を大幅に減らし輸送しやすくしたものです。オーストラリアは過去数十年に亘ってLNG生産・輸出量を増やしてきており、LNG輸出量では世界最大です。
オフショアガス田開発は連邦政府のOffshore Petroleum and Greenhouse Gas Storage Act 2006によって管理されています。(参考:Regulating offshore oil and gas in Australian Commonwealth waters)