加工食品

オーストラリアは小麦・大麦・砂糖・乳製品・牛肉・羊肉といった主要農産物の生産地として世界的に認識されています。

北部は温暖、南部は冷涼といった、多様な気候の中で様々な農産物が生産されており、国内においてトレーサビリティー可能な多くの食品原料を確保することが可能なことから、高品質な加工食品も製造されています。

オーストラリアの大手加工食品メーカーの多くがメンバーとなっている、食品グロサリー・カウンシル(AFGC)は、オーストラリアの現在の食品の生産能力は国内全人口の約3倍、6,500万人分程度と試算しています。そして2050年に世界人口が90億人になることを考慮し、今後は量よりも、質にこだわったプレミアムな食品の輸出を増やしていきたいと考えています。

オーストラリはあらゆる国から移民を受け入れており、消費者は様々な味覚をもっています。消費者が求める食品の好みは多様化しており、健康志向(アレルギーフリー、オーガニック、低糖、低脂肪)、本物志向、プレミアム、おいしさ重視、自然志向、ハラル認証のあるもの、利便性の高いものなど、それぞれの異なるニーズに応えるために多種多様な商品が製造されています。

オーストラリアの加工食品はいずれも高い安全性と品質基準を保ち、国が主導する健全な規制と管理、コンプライアンスに基づいて、製造されています。国内で流通している食品は全てオーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)が設定した基準に従って製造されています。

得意とする商品分野

ベーカリー・シリアル・菓子

オーストラリアのベーカリー・シリアル・菓子業界では、オーガニック・減塩・低糖・低脂肪・機能性・利便性といった最新トレンドに対応した原料や製品を供給しており、輸出経験も有しています。各メーカーによるブランド商品に加え、指定スペックに基づくプライベートブランド(PB)等の受託製造を行っているところもあります。

ホテル・レストラン・ケータリング事業向け食材としては、特殊なプレミックスの小麦粉、ケーキミックス、ベーカリーミックス、バルクチョコレート、ヨーグルトパウダー、シリアルミックス、クッキー生地、冷凍生地の供給が可能です。

オーストラリアのパン・ケーキ類、ベーキングミックス粉、シリアル、ビスケット、その他菓子類の小売市場はとても成熟しています。それぞれのカテゴリーは大手の多国籍企業による占有が大きなものとなっていますが、ニッチな分野の商品、例えば特定の原料を使ったもの、栄養価の高い食品、オーガニック、利便性の高いもの、機能性食品、地域特産品などは数多くの中小規模メーカーにより製造されており、これらはオーストラリア国内では主にグルメ食品スーパーや独立系プレミアム食品スーパーなどで販売されています。

オリーブオイル

北半球のオリーブの収穫時期は9月末~12月ですが、南半球に位置するオーストラリアでは4月~7月頃に収穫されます。

主要産地は、南オーストラリア州、ヴィクトリア州、西オーストラリア州。最新の技術を導入し、広大な農地(全体約2万ha)で大規模に栽培する生産者が多いのも特徴です。

オリーブオイルの生産量は年々増加しており、2018年度の生産量は約9,390トン、そのうち輸出量は3,679トン程度です。オーストラリアにはイタリアやギリシャからの移民も多く、産業の成長に拍車をかけているようです。

南半球のオリーブオイルの旬は7月初旬。世界的にオリーブオイルの需要が高まる中、オーストラリアは北半球とは真逆の時期に搾りたてのオリーブオイルを出荷することができます。

オーガニック先進国でもあるオーストラリアでは有機栽培のオリーブを使用したオリーブオイルも注目されています。また、料理用オリーブオイルだけではなく、美容用のバージンオイルにも人気が集まっています。

専門加工食品

その他加工品として、調理済み食品、冷蔵・冷凍食品、デザート、スナック、粉または液体スープ、シーズニング、ソース、タンパク質サプリメント、コーヒー、紅茶などについても製造、輸出能力があります。とりわけ下記のような商品の製造については高度な専門知識と、世界標準の製造設備を有しています。

  • フレーバー(ヨーロッパ・地中海地域・アジアの味覚に即したもの)
  • 異なる栄養・機能性のニーズに応えた商品(減塩・低脂肪・低糖、栄養強化食品、プロバイオテクス食品、プレバイオテクス食品)
  • 利便性の高い商品(調理済み食品、個食対応パッケージ)
  • 宗教上のニーズに合った商品(ハラール認証、コーシャー認証)