特集:オーストラリアのネイティブ・フード

先住民の食文化からグルメ食材へと進化し、機能性食品素材としての可能性も秘める、オーストラリアならではの食品

オーストラリアの原産植物の中には、ブッシュ・ハーブやブッシュ・スパイスなどと呼ばれ、食材として使われているものが数多くあります。これらは総称でネイティブ・フードといわれ、ネイティブ・フードを使った料理はブッシュ・フード、またはブッシュ・タッカーとして知られています。

オーストラリアの先住民は何千年もの間、ネイティブ・フードを食べながら厳しい自然環境の中を生き抜いてきました。ネイティブ・フードのほとんどは乾燥することで長期保存可能なため、干ばつなどで食料が不足したときは保存されたものを食べていたのではとないかと考えられています。

現在オーストラリアでは、約14種類のネイティブ・フードが商業ベースで生産、または合法的に自生地から採取されています。これらの主要品種はその他の一般食品と同様、科学的方法による分析・評価を経て、栄養価と安全性が確認されており、中には健康食品の機能性素材として注目を集めているものもあります。

ネイティブ・フードの主要品種の栄養成分は、Food Standards Australia and New Zealand (FSANZ)のNutrition Panel Calculator (NPC) Database 2011に掲載されています。NPCのデータベースは、オーストラリアの食品メーカーが表示ラベルを作成する際利用されています。このデータベースに掲載されているデータの評価等についてはNutritional Data for Australian Native Foodsに記載されています。

ネイティブ・フードはその特徴から、生でそのまま食べるよりも、調理、加工される食品にユニークなフレーバーを加える目的で、素材として使われるのが一般的です。オーストラリアのレストランでは、スパイスやドレッシング、各種料理のトッピングやデザートなど、幅広いメニューに使われており、小売用加工食品としても、チョコレートやビスケット、フレーバー・ティーなど様々なものに使われています。

ネイティブ・フードは歴史的なストーリーと現代の科学に基づいて評価された栄養価と安全性を兼ね備えた、オーストラリアならではの魅力溢れる食品です。

主な品種と特徴、調理例、加工食品に関する情報を下記にご紹介いたします。