オーストラリア宝飾業協会(JAA)は、1993年、オーストラリアの宝飾品製造業者のために証明商標(「Jewellery Mark」)の制度を制定しています。JAAのJewellery Markが付いた製品は、JAAの厳格なガイドラインを満たし、Standards Australiaの要件を満たしていることを意味しています。
オーストラリアには、最古の岩層があり、様々な種類の貴石、鉱物が長い時間を経て自然形成されています。各地の鉱山では、ダイヤモンド、オパール、サファイアなどが産出され、裸石としても世界中に輸出されています。
西オーストラリア州キンバリー地方のアーガイル鉱床は、きわめて希少である高品質のピンク・ダイヤモンドが産出されることで有名な鉱山です。そのほかにも、脇石として使われるメレー・ダイヤモンドを大量に産出しており、その総産出量は他国の約2倍を誇っています。アーガイルで産出されたダイヤモンドは全量世界市場に直接販売されていますが、大粒で色の濃い、最高品質のピースについては毎年入札会を通じて販売されています。ピンクダイヤを含むアーガイルの最高級のダイヤモンドの原石は、西オーストラリア州パースにあるアーガイル・ダイヤモンドの施設にて、ひとつづつ丁寧にカット・研磨されています。
ニューサウスウェールズ州のライトニング・リッジはブラック・オパールの産地として有名ですが、ここから産出されるものが宝飾産業で使用されるブラック・オパールの約95%を占めています。そのほかの種類として、ホワイト・オパール、クリスタル・オパールは南オーストラリア州クーバーペディー、ボールダーオパールやメイトリックスは、クイーンズランド州キルピーが主な産地です。
輸出に関しては主にオーストラリアの主要都市に営業事務所を持つディーラーが、定期的に来日、又は主要な見本市などに参加し、日本向けに販売をしています。
オーストラリアは、高品質のサファイアも産出しています。ただし、ブルーサファイアの原石の多くは、色を鮮やかにするための熱処理やカット、研磨をするために主にタイ向けに輸出されています。
量産宝石市場向けにカットされた小さいサイズの石もありますが、希少で高品質のものは、主にヨーロッパや米国の一部の市場や愛好家、または国内の宝飾品業界などに供給されています。
オーストラリアは、南洋真珠の世界最大の生産国です。南洋真珠は金色や銀色の縁を持つ白蝶貝(Pinctada Maxima)の中で、直径10ミリ以上の大きさに育てられる養殖真珠です。オーストラリアの白色の南洋真珠の平均直径は12-14ミリですが、まれに20ミリに達するものもあります。ハーフパールやケシ真珠も生産されています。
出典:IBISWorld 2007, Gemmological Association of Australia